認知行動療法とマインドフルネス瞑想

今回から復職までにやってきたことを書いていきたいと思います。まずは、2016年3月に実家に帰ってから7月までの記録です。

2016年3月(実家に帰省)

2016年3月末に気分、体調、睡眠が最悪の状態で実家に帰りました。その時は、生活リズムもめちゃくちゃで食事も睡眠も十分に取れていない状態でした。それが、実家に帰ると、朝は決まった時間に起き、夜も夜更かしせずに決まった時間に寝るようになりました。また、食事も朝、昼、晩と同じ時間にきちんとと取り、朝は納豆、味噌汁、サツマイモ、夜は魚と肉が半々で、野菜と果物を食べました。その結果、前回グラフで示した通り、気分、体調が急激に改善されました。

2016年4月(大学病院転院)

4月になり、大学病院に転院の連絡をしましたが、予約がいっぱいで2週間待たされました。今は、どこの精神科も患者さんがいっぱいなので、私みたいに実家に帰って静養する方は、転院が決まった段階で転院先の病院に予約を入れるのがいいと思います。2週間後、大学病院の初診では、様々なことを聞かれました。自分の歴史はもちろん、両親や親戚の病歴など約1時間のヒアリングがありました。この時は、規則正しい生活と食事のおかげで大分調子が良くなっていました。その後、主治医の先生と話をし、こちらからは認知行動療法を行いたいと言いました。認知行動療法は、会社の産業医と今回、実家に帰って治療するにあたり、必ず受けるように言われていたものです。主治医の先生からはさっそく翌週の受診から認知行動療法の説明をしていただきました。実際の治療は5月から開始しました。

2016年5月(認知行動療法開始)

毎年5月は体調、気分ともに悪くなる傾向があり、この時も生活リズムのグラフでは、エアポケットのようにストっと悪くなっています。そんな中、認知行動療法をはじめました。認知行動療法とは、以下のような治療方法です。

 認知行動療法とは?

私たちの気持ちや行動は、その時に頭に浮かんだ「考え」(認知)によって影響されます。例えば、悲観的な考え方が染みついている人は、悪い方、悪い方に考えてしまい、気持ちも行動も悲観的なものになってしまいます。認知行動療法では、考え方のくせ(これを自動思考という)に気付き、考え方の歪みを直していく治療法です。

 認知行動療法には、ワークシートを使いました(ワークシートはこちら)。ワークシートの使い方は、状況の欄に、不快な感情が伴う出来事(例えば、自分は復職できるのだろうかと考えている時)を書きます。不快な感情の欄にはそのときの感情の強さをパーセントで書きます(不安100%)。自動思考の欄には、不快な感情を経験するときに占めている感情と確信度を書きます(1年半も休職していたのだから、復職できるはずがない90%、復職してもまた休職してしまうはずだ80%)。ここからが重要なのですが、合理的思考の欄に、自動思考に代わる思考を書きます。ここは、客観的な思考が出せるかがポイントです(生活リズムのデータから見ても着実に改善しているから復職できるはずだ100%、またすぐに休職するとは限らない70%)。最後に合理的思考の結果、不快な感情がどれだけ下がったかを書きます(不安100%だったのが不安40%になった)。最後の感情が下がることで、認知の歪みに気付くことができます。

認知行動療法を始めることで、これまでストレスとして感じていなかったことに気付くことができ、また、自動思考がかなり歪んでいたことが分かりました。ワークシートに書き出すことで、視覚的にも情報が入ってくるので、有効だったと思います。認知行動療法は、現在もワークシートを使って不快な感情があった時に書き出しています。

2016年6月(運動開始)

6月になり、体調、気分ともに落ち着いてきたので、運動を開始しました。はじめは、近所の散歩から少しずつはじめ、その後、週6回約1時間の散歩を行いました。それから、7月末には週1回の水泳をはじめ、8月からは散歩もジョギングに変え、週6で運動をするようになりました。これは、今でも続けています。

2016年7月(マインドフルネス瞑想開始)

 マインドフルネス瞑想を知ったのは、6/18と6/19に放送されたNHKスペシャル「キラーストレス」でした。

www.nhk.or.jp

www.nhk.or.jp

番組の中でうつ病の人は主治医と相談してからやってほしいとの注釈がでたので、その日はやらずに、主治医に相談してから試しました。まずは、本を読んで勉強した方がいいと思い、以下の2冊を読みました。

サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

 

 「サーチ・インサイド・ユアセルフ」は、2章が今でも役に立っています。

~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門

~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門

 

 「サーチ・インサイド・ユアセルフ」よりもこちらの方が、始めやすく、直観的にわかりやすかったです。

上記の本を読んで、独自にマインドフルネス瞑想を7月から始めました。その後、主治医の先生から、同じ大学病院の先生でマインドフルネス瞑想を専門にやっている精神科作業療法(OT)に参加してみないかと勧められ、週1回マインドフルネス瞑想を習うことになりました。この段階で、テレビの放送からトントン拍子でマインドフルネス瞑想の世界にどっぷりはまりました。

現在、私は毎晩20分のマインドフルネス瞑想を行っています。マインドフルネス瞑想はいろいろな方法がありますが、以下は私が行っている方法です。

  1. マインドフルネス瞑想を行う意図、目的の確認(10秒)
  2. 呼吸に意識を向ける(5分)
  3. ボディスキャン(5分)
  4. ヨガ(3分)
  5. 呼吸に意識を向ける(3分)
  6. ボディスキャン(3分)
  7. 感謝の時間(1分)

まず、 半跏趺坐(はんかふざ、右の足を左の股の下に深くいれ、左の足を右の股の上に深くのせる)の態勢を取ります。はじめは手はだらっと膝の上に置きます。1は「ストレスを認知できるようになること」「ストレスに強い心になること」を念じます。2は鼻から吸って鼻から出す呼吸を繰り返します。ここでのポイントは、鼻の穴の出口に意識を向けることです。また、呼吸から意識がズレた場合は、ズレたことに気付くことが大事です。あ、今違うことを考えていたな、また呼吸に意識を向けよう、この繰り返しが心の訓練になっているような感じがします。呼吸に意識を向けることで、過去のことや未来のことから離れて、今この瞬間だけに意識が向くようになります。3のボディスキャンは、智慧の印(親指と人差し指を付けて、他の指を伸ばした状態)にして、全身に意識を向けます。最初は、つま先からかかと、ももと順番に意識を向けていましたが、慣れてくると、10秒程で一気に全身に意識を向けられるようになります。ボディスキャンをしているときは、身体が温かくなったり、ヒリヒリしたり、体の中が電灯で灯されているような感じになります。4は、前屈の姿勢を取ったり、首を上に向けたりして、その時の身体が感じていることに意識を向けます。5、6は2、3と同じです。最後に7で、まず自分に感謝し、これまで自分に関わってきた人、これから関わる人すべての人に感謝します。以上が、私のマインドフルネス瞑想の方法です。

次回予告(2016年8月以降)

2016年7月の段階で、主治医の先生と10月復職を目標にしました。次回は10月復職に向けてやってきたこと(生活リズム実行計画と様々な生活改善)について書きたいと思います。